令和7年度入学式を行いました(校長式辞)

4月4日、暖かな春の訪れを感じるこの良き日に庄内校入学式が執り行われました。

入学生35名が高い志と希望を胸に、新たな一歩を踏み出しました。

 

校長式辞

 穏やかな陽光が山々の残雪を解かし、ここ庄内にも待ちわびた春が訪れました。陽春のこの佳き日、山形県議会副議長 楳津博士様、酒田市副市長 安川智之様、鶴岡市商工観光部長 三浦一夫様、本学教育振興会会長 加藤聡様、はじめ多数のご来賓及び新入生ご家族の皆様をお迎えし、ここに令和七年度 山形県立産業技術短期大学校・庄内校の入学式を盛大に挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。

 

 ただ今、入学を許可しました35名の皆さん。ご入学誠におめでとうございます。教職員一同新入生の皆さんを歓迎いたします。併せて、これまでお子様の成長を見守り、支えてこられたご家族の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。 この庄内校は、本県、とりわけ庄内地区の産業界の振興・発展に貢献できる実践的産業人を育成するため、平成9年4月、ここ酒田の地に開校されました。以来28年ここまで通算して1,000名を超える卒業生を輩出してまいりました。その多くが、地元庄内地区の企業や事業所において頼もしく活躍し、地域産業を支えております。

 本学では、実務経験豊かな教員による、最新の教育機材や実習機器を用いた実践教育と、教員一人当たりの学生数がおよそ3.3人という恵まれた体制で徹底した少人数教育を行っております。また、習熟度別指導により、出身学科に左右されずに高度な専門的技術や知識の習得が可能となっております。加えて、地元の企業約100社で組織された、応援組織、教育振興会の皆様からは、企業実習や校外学習などの教育活動、そして就職活動に多大なるご協力をいただいております。

 さらに、技術や知識を身に付ける上で根幹となる「探究心」を大事に、課題発見・課題解決力や新たな価値を生み出す力、人と人が交わる上で欠かすことにできないコミュニケーション力などのいわゆる「人間力」の育成にも力を入れております。

 この恵まれた環境を生かすか否かは新入生の皆さん次第です。2年間という限られた時間の中で、貪欲に知識や技術を習得し、併せて人間力も高めて欲しいと思います。

 本学での学生生活をスタートするにあたり、皆さんにお願いしておきたいのは、旺盛なチャレンジ精神を持ち続け、「対話」を大事にして欲しいと言うことです。「対話」とは単なる「会話」と異なります。自分の意見と相手の意見をキャッチボールすること。そのやりとりの中で思わぬ「新結合」が生まれたり、「越境」が起こったりします。チャレンジ精神とはいわば心のエンジン、いくらいい環境が与えられても、心のエンジンがなければ物事を深く掘り下げたり、幅を広げたりできません。

「人間は二通りしかない。成功者と失敗者ではない。成功も失敗もする人と、成功も失敗もしない人である。」とは、作家の中谷(なかたに)彰宏氏の言葉です。成功の陰には数多くの失敗がつきものです。失敗をせずに成功を勝ち取るなどおおよそあり得ないこと。大切なのは、失敗を恐れずチャレンジを繰り返すこと、その中で得られた成功は生涯皆さんの中に生き続ける財産となることでしょう。

 今私たちの暮らす郷土山形もこの国全体も、人口減少とその構成の変化が急速に進行する中、技術革新による生産性の向上が待ったなしの状態です。単に生産性を向上するだけでなく、人々の豊かで潤いのある暮らし、Well-being を実感できる社会の実現も求められています。生産性向上、Well-beingの実現、その双方において「技術」が大きな鍵を握ります。そして、この学校で人々が待ち望む高度・先端技術や知識を学ぶ社会的意義は今極めて大きいことも常に意識にとどめて欲しいと思います。

 これから2年間、この学校で、大いに学び、自分を磨き、友と語らい、充実した学生生活を送ってください。皆さんが大きく成長していく姿を私たちは楽しみにしています。

 結びに、本日ご隣席の皆様に新入生たちの心強いサポーターとして応援いただくことをお願い申し上げ、新入生35人の、今日から始まる新しい生活に大いなる期待を込めて式辞とします。

 令和7年4月4日

                              山形県立産業技術短期大学校・庄内校 

                                        校長 佐藤 俊一